脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『20世紀SF④1970年代〜接続された女』

http://kyodoga.blogo.jp/archives/3850721.html
相変わらずロシアは異次元だ。


  少し遅れましたが、ハッピーバレンタイン。偉大なる殉教者の逝きし日、全ての善き家族と恋人たちに神と紙の祝福のあらんことを。(現代語訳:リア充爆発しろ!)。天丼天丼。


魔装機神Ⅱ進捗

  • 第40話「黄泉返る調和神」ラスフィトート撃破。トップエース:マサキ=アンドー@サイバスター

20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)

20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)

光に包まれ無数の花たちは

接続された女

「過度の反動だよ、デルフィ。歴史は振り子のようなもんだ。大衆はオーバーに反応するあまり、社会にとって絶対に必要な進展を踏みつぶすような、厳格で非現実的な法律をこさえてしまう」byキャントル


 怪物染みた容姿の不遇な女の子が誰もが羨むスーパーアイドルの中の人に。非常に興味深いガジェットなのですが、何故かありきたりの悲劇のラブロマンスに矮小化してしまうのはメリケン人の悪い癖。

デス博士の島その他の物語

「作った?船長、アダムの肋骨がイブになったからといって、神はイブを作ったと言えるかね?それとも肋骨を作ったのはアダムで、神はそれを自分の思うかたちに変えたにすぎないのかね?こう考えてみたまえ、船長、わたしは神、自然はアダムなのだ」byデス博士


 狂気の描写が秀逸。それ以上の感想は特になし。

変革のとき

「戻ってきたのよ!本物の地球人の男が」byユキ


 レズの惑星に男が帰って来た。ショートショートでなく長編で読みたい設定です。

アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋

長いのはトンネル。もっと長いのはトンネルのない場所。トンネルのない場所に通じるトンネルはない。トンネルのない場所は遠く、われわれは永遠に着くことができない。万歳!by『アカシア種子文書』


 理系人間から見た文系的学問特に文化学に対してのパロディ。ここまで徹底的にディスられると逆に気持ちいいです。

逆行の夏

「一番大変なのは、息をしないよう体を慣らすことだ」byティモシー


 淡々と進んで淡々と終わる。SFでやる意味が少しわかんない。

情けを分かつ者たちの館

「わたしを"か弱い心"だと思っているんだな?」byロルカ


 哲学的SFの極致かな?「情けを分かつ者」との「交流」の描写はトリップしそうな酩酊感があって好きなのですが、鎧の下にのぞく高踏的思想がなんだか腹立たしく。

限りなき夏

「あなたが近づこうとして下さるのはとても嬉しいことだと気づいたわ、トマス」byセイラ


 小難しいのはキライ。

洞察鏡奇譚

「数世紀ぐらい、彼らは苦にもしていなかったんだろうね。古代人には意志力があった」byエルレッド


 何故だかグレンラガンを思い出したのは「ドリル」だからか。異端と罵られようとも新天地を目指すドンキホーテの姿に感動できます。メタ的な設定も実にSFで○。

「ここでおれたち自身の円形性と球形性を手にするのだ」byイカルス=ライリー


 全く内容が思い出せない。


あの飛行船をつかまえろ

「いかにも、一九一八年のあの暗い夏、休戦のうわさが野火のようにわれわれドイツ軍将校のあいだを走り抜けた。そして、あの時期に、ほんとうに休戦が成立していたら、わたしのような将校はけっしてドイツ軍が真に敗北したのだとは信じず、たんに指揮官や、アカの手先の扇動者に裏切られたに過ぎないと思ったことだろう。そしてすぐさま同志を糾合して、もっと有利な条件で戦争を再開する密議を凝らしはじめたはずだ」byドルフ


 歴史上には数多の尖天がありそこで少し何か風向きが違えば全く違った未来世界が訪れるっていうIFものの世界観。飛行機が全く発達せず、飛行船が空の王者たる世界に生きる、あのユダヤ嫌いのチョビ髭のお方の姿にはちょっと感動。丁寧な叙述トリックで大どんでん返しをしてくれるのに、冒頭の作品解説でネタバレすんのは酷いと思うんだ。

七たび戒めん、人を殺めるなかれと

「神なんてものは、いないほうがいいことが多いもんだ」byネクロル


 中二チックなカッコよさのSFファンタジー。何よりタイトルがかっこいい、それだけでもう満腹です。

作り直しがきかない過去もいつの日か小さな箱にしまえるように

 ニューウェーブの敗北からサイバーパンクの隆盛に至るミッシングリンクな時期の作品群とあって、正直読むのもきつい作品もちらほら。SF冬の時代の名は伊達ではありませんでした。そんな中でも良かったのは、アーシュラ・K・ル・グィンバリントン・J・ベイリーにフリッツ=ライバー辺り。テツガクに堕落したニューウェーブの低調から不死鳥のように蘇ったサイバーパンクな次の10年は我々にどんな素敵な作品と著者を見せてくれるのでしょうか。今から楽しみです。

美しければそれでいい

美しければそれでいい

帰ってきた今日一行知識

ヒンデンブルク号爆発事故の残骸からゼロ戦の機体にも使われた超々ジュラルミンが開発された
ドイツで厳重に秘匿されていたジュラルミンの破片がヒンデンブルク号の悲劇の現場に偶然居合わせた住友金属の社員に拾われ、解析→魔改造の日本人得意のコンボで発展とのこと。火事場泥棒もいいとこだw