脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『嘘喰い』

http://exawarosu.net/archives/4380179.html
日本が憐れむべき被害者から憎むべき加害者にジョブチェンジする日も近いか。これがフィクションだと恩讐やしがらみ、無能な政府の妨害を乗り越えて、日米露のエキスパートの集うスペシャルチームが組織される頃合なんですが、もしそんな絵空事が実現したとしても、なんの問題解決にもならなそうですね。現実は非情です。


 気がつけば、京都で過ごす最終夜。恒常的なネット環境を確保できるまでは暫く更新頻度が遅くなると思いますので、悪しからず。

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

それぞれのRule打ち壊して

 会員になれば公平なるゲーム進行と、確実なる賭物の取立てがなされるという闇の組織「賭郎」。この物語はその巨大組織を牛耳らんと屋形越えを目指す一人の愚者の物語である。嘘喰いの二つ名を持つ天才ギャンブラー斑目獏はこの巨大な虚構を呑み込めるのか。


 カイジLIAR GAMEの系譜に連なるギャンブルマンガ。なのですが、それらと一線を画すのは暴力の描写。いくらゲームに勝ったって、報酬を得れるかどうかはきちんと取り立てることができるかどうかにかかっている。ってつまらない現実を圧倒的な個人的暴力同士のぶつかり合いという虚構で上手く物語に昇華しているのは見事です。取立人や掃除人、密葬課に殺し屋たちの繰り広げる圧倒的暴力のぶつかり合いは男の子心を滾らせずにはおれません。まあ飽くまで暴力であって、武とは無縁なので、術技の比べあいといった格闘漫画的な楽しみ方はできませんけどね。
 肝腎のギャンブルパートも、出てくる連中が片っ端から、イカサマや武力行使でどうやってルールを無視するかしか考えてない輩ばっかなので、同じ理屈で、ゲームの駆け引きを楽しむって読み方は少し困難かと。ってゆーかよく考えたらまともにゲーム性あったのってラビリンス位じゃないかしらん。それでも単なるババ抜きを心滾り魂震わす熱戦に描く力技は古今無双ではないでしょうか。登場人物も心理描写も複雑に錯綜するので、週刊連載で追うのは正直辛いですが、単行本で一気読みしたときの熱さは保証できます。是非ご一読を。

ギリギリの呼吸飼いならして誇らしげに笑えばいい

 「博奕なる者あらずや。これを為すは猶お已むに賢れり」孔子大先生の至言ですが、こういった命を懸けたギャンブルものを読むと、その意味が少し理解できる気がします。破滅と紙一重の極限状態で全知全能を尽くせば、それで成長しない訳がないでしょう。さあ、無為徒食の日々を送るそこのあなた。退屈な日常では決して味わえぬスリルと勝利の快感がそこに待ってますよ。

教訓:人はこうやってギャンブル中毒になる

仮面ライダーアギト 3rdエンディングテーマ DEEP BREATH

仮面ライダーアギト 3rdエンディングテーマ DEEP BREATH

帰ってきた今日の一行知識

迷宮と迷路は本来全く逆の性質のもの
最深奥で待つ怪物へと一本道で誘うのが迷宮。数多の分岐で錯綜させるのが迷路。前者がRPGのダンジョンで、後者が思考ゲームと考えれば理解しやすいですかね。