脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『武道の誕生』

うるるんロギー プラモデル界の狂犬・アオシマが尖閣諸島事件をプラモ化へ
日本にもこういうシャレの利いた企業があるんですね。ええことです。


 友人の某ソフトバンクの敏腕営業の甘い囁きにまんまと乗って、iPhoneに乗り換えることにいたしました。そのついでに、twitterも始めてみたので、アカウント持ってる人はフォローよろしく。

武道の誕生 (歴史文化ライブラリー)

武道の誕生 (歴史文化ライブラリー)

誰より先に進化&スキルアップ

 柔術も剣術も槍術も弓術も近代兵器の前では児戯にも等しい。明治維新が突きつけた冷酷な現実。近代スポーツにジョブチェンジするしかないと思われた近世武術に、天才嘉納治五郎が指し示したもう一つの道。武術は武道へ無事「進化」できるのか。


 講道館柔道をモチーフに武道の歴史を描く力作。なはずなのですが、吉川弘文館らしからぬ読み応えのなさ。散漫な論旨と上滑った議論は実に退屈です。なんでかなと奥書を見れば、この作者さんの専門は社会学。そらこうなるわな。なんて国史至上主義者の偏見はさておいて、内容は明治期の武道の産みの苦しみ、大正期のスポーツとの折り合い、昭和前期の精神愛国主義への「堕落」、そして戦後の軍国主義からの脱皮を駆け足で紹介してくれてますが、社会学なお方だからかなのか史料の扱い方が下手糞。何のために引用するのかの意志に乏しい新聞記事の引用の羅列に、肝心な議論は「〜だろう」式の自分の想像を論拠に展開。随所に現れる「講道館柔道の精神性は世界一ィ」な思い上がりもまたむかっ腹が立ちます。反面教師とすべき一冊ではないでしょうか。

この瞬間を待ってたんだ!夢にまで見たシチュエーション

 何でも過度に精神主義的な付加価値を要求するのは日本人の悪い癖だと思いますが、武道はそれが顕著に出てしまっている分野の筆頭格ではないでしょうか。このままだと、武道まで茶道や歌舞伎などのような死んだ技芸になってしまいます。西洋合理主義こそが唯一最良とは思いませんが、技術面での完敗を精神論で糊塗せずに、謙虚な心で新たな技術の導入による絶え間なき進化を志向して欲しいものです。いつの日か、陸奥九十九が世界を震撼させてくれる日を信じてます。

Battle No Limit!

Battle No Limit!

帰ってきた今日の一行知識

講道館柔道は元々十段以上も想定していた
出し惜しみしてるうちに四天王の山下義韶が十段にもならずに死んじゃったんで、済し崩しで十段が最高位が定着したみたいですね。まあ下手に上限なくしてたら、どうせ「私の段位は53万段です」とかのインフレおきてたでしょうから結果的には成功だったんではないでしょうか。