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言論弾圧を目論む石原都知事を筆頭とした東京都議会の暴虐に遂に反抗の火の手があがりました。さあ世の愛書狂諸君彼等に続くのだ。
師走に突入。ふとスケジュールを眺めれば、休日のきの字も見えぬハードスケジュール。週休2日って何処の先進国の制度だろう。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1997/07
- メディア: 単行本
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みなみな!よくぞ参られた
時は昭和四十四年。テレビドラマの隆盛の波に呑まれ廃れ行く邦画、そして滅び行く太秦撮影所。そんな栄光の残光の中出会ってしまった二人の迷い人。活動の父マキノに見出され鬼才山中貞雄に愛されながらも時代の闇に呑まれ死んでいった大部屋女優伏見夕霞、そして千年の古都の不条理が生んだ悲劇の秀才清家忠昭。時代を超えた悲恋の結末は・・・
美しい。ただその一言に尽きる浅田次郎の名作。その凄絶なまでの美しさと京都ならではのどろどろした人間関係とが織り成す物語の背徳感は狂気の沙汰。この物語を心から理解する為に自分は京都に十年住んだんだと言ってしまえるほどです。まあ、個人的に活動写真というかそもそも映画自体に一切の思い入れも知識も無いので共感はしがたいのが難点ですが。その分主人公トリオが実に古き良き憧れの京大生してくれているので、一時とは言えその名を戴いた身としてはにやにやしきり。全てを達観したかのごとくに聡明で、それなのに、いやそれだからこそ、非常に不器用な生き方しかできない。京大生はまっことかくあるべきです。
さて最後にネタバレまじりの一臭し。現世で結ばれぬこと叶わぬ二人が銀幕の中で永遠を生きるってラストは実に美しいですが、今風に翻案すると「ちょっと二次元行ってくる」になるのに気付いてしまいちょっとトホホ。二次元嫁をお持ちのヲタク諸氏の暴挙武勇伝は四半世紀後には美しい悲恋に昇華されたりするのでしょうか。
前にも進めずにとどまるばかりじゃ
斜陽の映画業界がテーマの本作。では今の現実に目を向ければ、邦画を破滅に追いやった元凶のテレビ業界も最早風前の灯。諸行無常盛者必衰の理には抗いがたいものです。なので、ギョーカイ人の皆さんはじたばた無駄な醜い抵抗せずに四半世紀前の活動屋さんのごとき美しい最期を迎えましょう。綺麗に散れれば、次代浅田次郎が美しい鎮魂歌書いてくれるかも知れませんよ。
- アーティスト: MOSAIC.WAV,み~こ
- 出版社/メーカー: 戦国魂
- 発売日: 2007/10/19
- メディア: CD
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