脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『岸信介と保守暗闘〜昭和の宰相 第5巻』

http://blog.livedoor.jp/ko_jo/archives/51460569.html
日本人のジョークセンスもまだまだ捨てたもんじゃない。


 外回りが主な仕事に転職した瞬間から歴史的残暑に突入ってのは何の嫌がらせですか?

仲間達ががんばってるのは分かってる

岸信介
 明治二十九(1896)〜昭和六十二(1987)年。昭和期の政治家。佐藤栄作*1の兄。山口県吉敷郡出身。東京帝国大学法学部卒業。
 農商務省に入り、1936満州国産業部次長となり、「満州国革新官僚の筆頭と目された。帰国後、'40商工次官、'41東條内閣の商工相、'42翼賛選挙で翼賛議員として当選。東條内閣の戦争経済の推進に積極的な役割を果たしたが、'44辞職を拒否して東條内閣倒壊の一因を作った。敗戦後、A級戦犯として逮捕。公職追放中は東洋パルプ会長・日本鋼材商事会長などをつとめ、追放解除後、'52衆院議員当選。自由党憲法調査会会長となって憲法改正再軍備を主張し、タカ派の領袖となる。 '54鳩山一郎*2らと共に自由党を除名され、日本民主党創立に参加、幹事長となる。'56自民党総裁選で石橋湛山*3に敗れたが、石橋内閣の外相に就任。'57石橋の病気辞任後、総裁を引継ぎ、内閣を組織。 '60まで3期にわたり首相をつとめた。岸内閣は、日中貿易交渉を中断させ、警職法改正により戦前の治安体制の復活を企図し、更に安保条約改正を強行するなど、対米従属的な強硬政策を続けたが、'60安保闘争の高揚によって辞職した。その後は自民党顧問となり、'69沖縄返還交渉の際には単身渡米してニクソン*4大統領と会談、裏交渉に積極的役割を果たした。また憲法改正や台湾政権との結び付き強化などに活躍した。(『コンサイス日本人名事典 改訂新版』より引用)

 明治・大正の宰相シリーズ読了してる間に、昭和の宰相シリーズの続き見つけたんでこっちに復帰。橋本龍伍厚相辞任に始まる吉田内閣の動揺から岸信介辞任までの自民党の前史〜黎明期を描く本作。吉田・鳩山・岸の三人*5の宰相の活躍と挫折がテーマなのですが、党人びいきの官僚嫌いの作者の趣味か、吉田・岸への評価の低さは偏向を通り越して私怨すら感じるほど。民意や諫言を無視して暴走を続ける吉田及び対米従属の売国奴岸に対する日ソ国交回復の立役者鳩山って構図があからさますぎてちょっとひきます。贔屓の引き倒しってのは今も昔も醜いですね。
 それを除いても、内容は同作者の「小説 吉田学校」シリーズのダイジェスト版って感じ。そっち読んでれば無理に読む必要も無いんじゃないでしょうか。やはり同時代人の客観的評価ってのは難しいようです。

だからもう少しオレにもう少しだけ力を貸してくれ

 物事には始まりがあれば終わりもある。鳩山が立ち上げ岸が築いた自民党も先の政権交替劇で正念場を迎えております。中途半端な連中が前回選挙で壊滅して、鳩山弟や与謝野桝添ら脂っこい連中が出て行ってくれただいぶすっきりした感のある元与党ですが、民主お得意の大自爆にも関らず存在感を発揮できないあたり、もうそろそろ寿命かなって気もします。いつまでも腐った大木の延命に汲々とするんではなくて、一回ばったり倒してその切り株から新しい若木の芽吹くのを期待したいものです。親譲りの天性のパフォーマンス力を持つ進次郎君を御輿に担いだアメリカ流シンクタンク的政党とか、リベンジに燃える安倍・前原あたりを核とした懐古趣味ではない本格保守とか想像するだにわくわくしてきませんか?小沢さん万が一あなたが政権とったらやるべきことは分かっていますよね?

RICA the BEST

RICA the BEST

帰ってきた今日の一行知識

右翼=ヤクザの図式が成立したのは安保闘争がきっかけ
対学生のカウンターデモ用にヤの付く職業の方々が動員された際に、政治団体の金看板を掲げる利点に気付いたのが濫觴の模様。一刻も早く政治団体はカルト団体並みに胡散臭いの構図を解消しないといけませんね。

*1:第61-63代内閣総理大臣従一位大勲位。父秀助、母茂世。運輸官僚として頭角を顕し、戦後吉田学校の一員として政界参加。吉田茂の片腕として活躍し、池田勇人と共に吉田茂の後継者の座を確固たるものにした。池田より政権を禅譲されて以降は日韓条約締結や沖縄返還など外交面で多大な功績を挙げ、ノーベル平和賞に輝いた。

*2:第52-54代内閣総理大臣。正二位大勲位。父和夫、母(多賀)春子。孫に由紀夫・邦夫。政友会に参加し、崩れ行く政党政治を支えた。戦後すぐ第一党々首の座を勝ち取るも滝川事件などが祟り公職追放。追放解除後、反吉田を掲げ鳩山ブームを巻き起こし首相になると、保守合同や日ソ国交回復などの功績を残した。

*3:第55代内閣総理大臣。従二位勲一等。父杉田湛誓、母きん。自由主義的ジャーナリストとして活躍。戦後政界入りして要職を歴任。鳩山後継首相に就任するも、病に倒れ僅か3ヶ月で退陣。

*4:Richard Milhous Nixon。第37代アメリカ合衆国大統領。父フランシス、母ハンナ=メルハウゼン。デタント政策を推進し、ベトナム撤兵や中華人民共和国承認などの功績を残すも、ウォーターゲート事件で失脚。

*5:一応石橋も