脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『満州帝国 第二巻〜建国』

http://goyaku.seesaa.net/article/105465478.html
世界平和なんて案外簡単なのかもしれません。


 秋風涼しい季節になってまいりました。結局今年も水着着んかったな。

貴様の全人生に完全Hard Touch

満洲
 日本帝国主義者により1932満洲に作られた半植民地国家。満州事変が起こるや、軍部は東北四省に名目上の自治政府を樹立させて、自己の支配下に置いたが、'32.3自治指導部の監督の下に、各省長が集って東北行政委員会が開かれ、'32.3.1建国宣言を発した。当時なお民心は張学良*1を去らなかったので、これに対して清朝廃帝溥儀*2を元首として執政とし、更に'34帝政を布き満州帝国が成立した。日本は'32.9日満議定書に調印して独立を承認したが、独立は名のみで、関東軍司令官が駐満大使を兼任して万事を監督し、政治の実権を握る総務庁長官と国務院の八部(日本の省にあたる)の次長とには日本人が就任した。軍備としては日満議定書に日本軍の永久駐屯が定められ、他に自国の軍隊があって'39皆兵制が布かれ、日本の対ソ戦の基地たる位置を与えられた。更に南満州鉄道及び満州中央銀行を経済の中枢とし、日本資本による満州重工業開発会社を設立、満州を日本の軍需工場化した。また日本国内の矛盾を緩和するため'40までに100万人に上る移民が行われ、農業における米・綿などの専売制度もまた人民の生活を困窮させた。文化面ではファッショ的な協和会なる組織があり、民衆の文化生活を統制し、特に一切の新聞・通信は弘報協会によって厳重な統制を受けた。このように満洲国は日本の大陸政策により作り上げられ、'45日本の敗戦と共に消滅した。(『改訂増補 日本史辞典』より引用)

 溥儀の長春動座から天照大神の新京分祀までを描く本巻の主人公は「ラストエンペラー愛新覚羅溥儀清朝復辟を念願とする彼と、飽くまで自身のコントロール下の傀儡国家建設が目的の関東軍との虚々実々の駆け引きは必見。そこに、空気を読まず五族協和・王道楽土の理想をぶち上げる石原莞爾張作霖の遺命に従い抵抗を続ける馬占山が乱入してしっちゃかめっちゃか。完全に蚊帳の外の日本政府や国民党が哀れを誘います。混乱とか泥沼とかのカオスを愛する野次馬にはこんな面白い見世物はありません。中国侵略の基地だの東亜共栄の理想の体現だののイデオロギーの色眼鏡を取り去って無責任におもしろがりましょう。

Wow!重ねるご奉仕NO!ならGo Home! Shit!

 後世溥儀は中国共産党の教育により人間性を取り戻し、この時代を総括し自己反省していますが、当時の実際の彼の行動言動は、帝位再戴の喜びとそれを後援した日本への感謝とで彩られています。武力による脅しで望まぬ御輿に無理やり載せられたなんて言い訳はちょっと無理があるでしょう。私も人生これからきっと色々あるでしょうが、過去の自分を自己弁護と保身の為に貶めるような年のとり方はしたくないものです。その為にも、人権擁護法案断固反対!言論の自由を守れ!

ワクガイ!! TVアニメ「仮面のメイドガイ」EDテーマ

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  • アーティスト:福山芳樹
  • 発売日: 2008/05/28
  • メディア: CD

帰ってきた今日の一行知識

戦前、皇族を民衆が沿道で歓迎する際は一切物音を立てぬ最敬礼が作法だった。

世の中変われば変わるものですね。

*1:Zhang Xue-liang。共産軍討伐副司令官。字は漢卿。遼寧省海城県の人。父作霖、母趙春桂。関東軍の陰謀により父を殺され、抗日の鬼と化す。西安事件において、自身の政治生命と引き換えに第二次国共合作を成し遂げ、日本軍を敗退に導いた。

*2:康徳帝満州帝国初代皇帝。父載灃、母瓜爾佳幼蘭。清朝期帝号:「宣統帝」。通称:「ラスト・エンペラー」。辛亥革命により清朝最後の皇帝となる。その後も張勲復辟や満州国建設により、何度か復権を為すも、最終的には中国共産党の再教育により市井の人として生涯を終える。