脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『室町の王権〜足利義満の王権簒奪計画』

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悪事をしても馬鹿は所詮馬鹿。豊かになるためには教育は必須です。


 ネット復旧!これでようやく引越し完全終了。さあ引きこもるぞ。

室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)

室町の王権―足利義満の王権簒奪計画 (中公新書)

「無理」なんて言っちゃって後悔するぐらいなら…

 南北朝の動乱を制し国家一統に成功した生まれながらの帝王義満。最高の権力を手に入れた王が望むは至高の権威の座。神代の昔から連綿と続く天皇という唯一無二の最高権威に挑まんと、日本国王という新たな権威体系を作り上げた日本史上絶後の王者の道程を新進気鋭の学者今谷明が描く。


 足利義満の王位簒奪計画については井沢元彦の『天皇になろうとした将軍』が有名ですが、この本では、王位簒奪ではなく王権簒奪、旧来の権威を乗っ取るのではなく、新たな権威を構築しようとした義満の壮大な計画を描いています。分かりやすく単純に奇を衒っての井沢節も好きですが、やはり本職の学者の手にかかると重厚さが違います。多少の知識がないとさすがに読みづらいですが、歴史学者としては当代随一緒の文章力を誇る今谷明、嗚呼日本史真面目に勉強してて良かったと思わせてくれること請け合いです。特に着々と進む義満の王権簒奪計画に踊らされる上級公家連の悲喜こもごもの狂想曲は必見。ワンマンで偏狭な上司にへつらい、道化を演じ、日記で自嘲気味の愚痴を漏らす。いつの時代も宮仕えの辛さは変わらないようです。頑張れ日本のお父さん。

逃げ出しちゃう事なんて簡単に出来ちゃうけど

 万世一統の皇室。誇大広告もいいところですが、血統としての連続性はとまれ、制度として命脈を保ち続けるこの「天皇」という機関は素直に驚嘆と研究に値すべきものだと思います。キリスト教がヨーロッパ文明の真髄であるのと同様天皇制こそが日本文明の清華といっても過言ではないでしょう。愚にも付かない右左のイデオロギー神学論争の具にされていいものではないはずです。権力と権威の徹底分離、先人の編み出したこの日本人に最も適したシステムをもっと有効活用しようではありませんか。

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