脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『仮面ライダー龍騎』

http://www.toei.co.jp/tv/ryuki/

 微妙に不評の三題噺は少しお休みして、今日は2002年に放映された仮面ライダー龍騎について思う様語ってみとうございます。お暇な方はしばしお付き合いをば、よろしく。

仮面ライダー 龍騎 Vol.1 [DVD]

仮面ライダー 龍騎 Vol.1 [DVD]

憎しみを映し出す鏡なんて壊すほど

 最後に生き残った一人のみが願いを叶えられる。その言葉を信じて13人のライダー達が殺しあう。ある者は愛する者の命を救う為、ある者は不老不死を願い、そしてある者は億万の富を目指し、愚かしくも切ない戦いは続く。円熟を増したスタッフが描くクウガ・アギトに続く平成ライダー第三段。君は生き残れるか。
 

 平成イケメンライダーシリーズ第三段。アギトで火のついたイケメンライダーブームの最も燃え盛った時代に作られた本作。多少ならざる欠点を包含しつつもそれを感じさせない勢いと暑さは、時代に愛されたものの強さを感じさせます。CGをこれでもかという程多用した必殺技エフェクト、半素人個性派実力派の入り乱れる俳優陣の大仰かつ記号的な演技、と賛否両論分かれそうな本作ですが、個人的には大好きです。戦士の孤独だ、異形の悲しみだと表現しきれるはずもない壮大なテーマに背伸びするより、この位アニメチックに見得を切ってくれた方が好感が持てます。無印マンセー原理主義者には決して進められませんが、選り好みせず、是非ご一見下さい。美形揃い(女性陣を除く)で目の保養になりますよ。

 悪口コーナー。脚本の整合性はどうした。決着がつかないのが分かりきってるライダーバトルを無駄に引っ張るな。後半のパワーアップの意味はあるのか。ライダーのデザインがダサい。モンスターに個性がない。結局ライダーが十人しか出てない*1じゃないか。女性陣のレベルがちょっと。

真実を惑わせる鏡なんて割ればいい

お気に入りのライダー×3

王蛇

浅倉威(荻野崇*2)、25歳。職業:脱走犯。「イライラするんだよ」が口癖の、ライダーバトルを心の底から楽しむ戦闘狂。勝ち残ったら、この戦いが永遠に続くことを願うとのたまう、手段の為には目的を撰ばない男。最後は自暴自棄に成り、銃を構えた警官隊に殴りこみ、蜂の巣に。
モチーフ:コブラ
契約モンスター:ベノスネーカー・メタルゲラス*3・エビルダイバー*4・ジェノサイダー*5
召喚機:「牙召杖」ベノバイザー
武器:ベノサーベル
必殺技:ベノクラッシュ・ドゥームズデイ(ユナイト・ベント)

 荻野崇の怪演の光る本作最高の悪役。ギャグ・ホラー・シリアス・ヒール何でもこなせる彼が出てから、たるみ勝ちだった展開に幅が出た気がします。完全にいかれた男を演じながらも、何処か可愛さ微笑ましさを感じさせる演技は見事。デザイン・必殺技のダサさが残念。

オルタナティブ・ゼロ

香川英行(神保悟志*6)。清明院大学教授。妻子持ち。ミラーワールドを破壊し、ライダーバトルを止めるため、ライダーシステムを複製し、独自のライダーを作り上げた凄い人。最後は教え子の東條の裏切りにあい死亡。研究者としては一流でも教育者としては三流だった模様。
モチーフ:コオロギ
契約モンスター:サイコローグ
召喚機:スラッシュバイザー
必殺技:デッドエンド

 若いアンちゃんだらけのライダーにあって、唯一の中年のオッサン。ベテランが混じるとやっぱり話に重みが出来ます。旧ライダーの雰囲気を強く残す黒を基調とした渋いデザインで好印象。ただ、頭のよさを表現するのに瞬間記憶を用いるのはいかがなものかと。

タイガ

東條悟(高槻純*7)、25歳。清明院大学大学院生。香川研究室に所属。「英雄」になるのが目的。「小さな犠牲を払っても、大きな目的を果たすのが英雄」という師の教えを、「大事な人を殺せば英雄になれる」と曲解。師や友人を己が手にかける。最後は、暴走車から少年をかばって死亡。
モチーフ:虎
召喚機:デストバイザー
武器:デストクロ
必殺技:クリスタルブレイク

 浅倉とは別ベクトルの狂気を湛えるサイコな演技が最高な彼。終盤は完全に主人公を食ってました。ただ上記の通りのアホの子なんで、大学院生の設定に一切説得力がなかったのはご愛嬌。デザインはヒゲとネコミミがチャームポイント。予算が尽きたか一切CGを使わない必殺技が哀愁を感じさせます。

 

進化する魂が 願っていた未来を呼ぶ

今やすっかり下火でこの頃の面影もない平成ライダーブームですが、凋落の原因はやはり製作者側の傲慢があったのではないでしょうか。555での脚本の迷走はまだ笑ってゆるせるにしても、白倉プロデューサー更迭後の剣・響鬼の失態は弁護の余地もありません。子供だましと侮っていたのが丸分かりな剣、製作者のオナニー臭漂う響鬼と続いた失敗作二作で根付きかけた仮面ライダーの炎は三度消えかかっています*8東映は真・ZO・Jの失敗に欠片も懲りていなかったようです。
 願わくは、子供と一緒に見るライダーが理屈抜きにカッコよく面白いものでありますように。

今日の一行知識

唐沢寿明ライダーマンの中の人をやったことがある
1984.1.3に放映された「10号誕生!仮面ライダー全員出場」で演じたようです。村上弘明やオダギリ・ジョーみたいにライダー出演を黒歴史にはしないで欲しいものです。

YouTube

*1:TVスペシャルで一人。劇場版で二人追加されてるんで、一応13人出てはいます

*2:1973生。長良プロダクション所属。代表作『超光戦士シャンゼリオン』涼村暁、

*3:ガイから強奪

*4:ライアから強奪

*5:左記三モンスターがユナイト・ベントで合体

*6:1962生。トライベッカGTZ所属。代表作『牡丹と薔薇』野島豊樹、『新・風のロンド』野代大介

*7:1973生。ディメンジョン所属。代表作『ウルトラマンネオス』カグラゲンキ

*8:現在放映中のカブトは悪い評判も聞かない良作な様ですが、いかんせんこじんまりとしすぎてて早起きしてまで見ようという気が湧きません