脱積読宣言

日々の徒然に読んだ本の感想書いたり、カープの応援したり、小旅行記書いたりしてるブログです

『鼻行類』


人の手のまだ届かぬところはこんなにも不思議に満ちている

 祝四連勝。毎日読書感想文書くのって意外としんどいのね。

鼻行類 (平凡社ライブラリー)

鼻行類 (平凡社ライブラリー)

旅立とう地図にない場所へ・・・

 あなたは幻の哺乳類鼻行類のことを知っていますか?1941年太平洋海に浮かぶハイアイアイ諸島で発見された鼻を異常発達させた哺乳類です。しかし、惜しくも1957年の核実験に伴う地殻変動により、ハイアイアイ諸島と共に海に沈んでしまいました。
 彼らはオーストラリアに於ける有袋類の如く、天敵のいない地で、恐竜的進化と収斂進化を繰り返し、多種多様なる様態を獲得しました。その姿は恰も幻獣の如く可憐でエイリアンの如くグロテスクで、僅かに残された記録と論文を眺めるだけも、地球の生態系の芸術を堪能できます。しかしそれは同時に愚かで傲慢な人類への告発書なのかもしれません。


 薄さに負けて珍しく理系の専門書に手を出して見ました。内容は上述の通りで、1941年に発見されて、1957年に絶滅するまで僅か17年しか「文明世界」に存在しなかった幻の哺乳類「鼻行類」を詳細に紹介してくれています。いかんせん理系の学者先生の論文作成の為の覚え書きを書籍化したものなので、文章は壊滅的ですが、豊富に用意されたスケッチ*1を見るだけでも十分楽しめます。多少なりとも生物学の知識があれば更に楽しめるでしょう。とりあえず、私程度の知識では助詞と一般動詞以外に日本語に思えないような単語で埋め尽くされていました。誰か翻訳してください。

消せない過去に縛られて

 嗚呼しんどかった。薄いには薄いだけの理由がありました。途中で理解を放棄してからはあっという間に読み終えれたんで、結果オーライと言えばそうなんですが。しかし、この鼻行類はこのような専門書を斜め読みするだけでも、知的好奇心がふつふつと刺激される、大変に面白い生物です。資料が少ない上、どうしても大国の恥部を暴く構成にならざるをえないので、二の足を踏んでしまうのは分かるのですが、是非映像化してほしいものです。総天然色フルCGでぐりぐり動く鼻行類、考えただけでもわくわくしませんか?是非NHKには根性見せてもらいたいものです。実現してくれたら大人しく喜んで受信料払いますよ。プロデューサー様是非御一考下さい。

今日の一行知識

オーストラリアの小型の有袋類は西洋人がスポーツハンティング用に持ち込んだ狐の所為で絶滅の危機に瀕している
ブルーギルといいこれといい、毛唐どもにだけは動物愛護の説教は垂れられたくないものです。

will?地図にない場所?

will?地図にない場所?

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*1:残念ながら映像は愚か写真・剥製すら遺されていないそうです。しかし、理系な人は絵も理屈っぽいんですね。ちょっと感動しました。